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沖縄研修旅行 記事一覧

2016.12.01 沖縄研修旅行
【高校2年】沖縄研修旅行後団 4日目

6時に起床。お土産でかなり増えた荷物を整理して朝食へ。

思えばこの研修旅行中、珍しくて美味しいものばかりを食べさせて頂きました。でも少し、家庭の味が恋しくなってきましたね。今日は最終日。たくさん食べて元気よくタクシー研修を楽しみましょう。

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まずはバスに乗って「首里城公園」へ。ここは沖縄がかつて「琉球」だった頃の王宮跡です。琉球は、天皇でも将軍でもなく、「王様」が国を治めていた「王国」です。明治時代の初めぐらいまで沖縄が外国だったなんて、本当に不思議な気がします。

「守礼門」は首里城の正門。2000年に発行された二千円札の表にも描かれています。(ちなみに裏には『源氏物語絵巻』が描かれています。)

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真っ赤な姿が美しく、強烈な「正殿」。ここはかつて政治や儀式が行われた首里城の中心の建物です。中国文化の影響を受けた装飾はとても細かく、国王の玉座があるのにふさわしく威厳のある姿でした。たくさんの「龍」の装飾に見守られながら、この前で、クラスの記念写真を撮りました。

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いよいよお待ちかねの、研修班別タクシー研修です。最大4人に1台のタクシーが用意されるという贅沢な企画。タクシーの運転手さんが観光案内をして下さいます。「国際通り」、「沖縄ワールド」、「旧海軍司令部壕」、「斎場御嶽」など、それぞれの班がそれぞれの場所へ出発します。「お昼ご飯をどこで食べようか」、「お土産は何にしようかな」、「何を観ようかな」「どんな体験をしようかな」。あらかじめ計画を立てていましたが、期待は膨らむばかりです。これが、この沖縄研修旅行の最後の大きなプログラムです。最後の思い出作りに行ってきます!

約5時間のタクシー研修を終えて、全員が那覇空港に集合しました。かなりのお土産を買い込んだようで、鞄は一杯です。思い出も一杯です!

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6組 小寺 祐貴子さん

楽しかった研修旅行もとうとう最終日。時間が過ぎていくのが惜しい気持ちを抱えつつもまずは首里城へ向かいました。今まで二千円札のイメージしかなかったのですが、実際に行ってみると想像を超えた建造物に感動しました。鮮やかな朱色がすごく印象的で、ここに琉球の王様が住んでいたと思うと、今その場所に自分がいることがとても嬉しかったです。首里城散策の後は、待ちに待ったタクシー研修に行きました。今日もいろんな場所を周りましたが、まだまだ行きたい場所がたくさんあるので、またプライベートでも沖縄に来たいと思いました。

少し早いような気もしますが、那覇空港で解団式をしました。研修旅行後団副委員長の6組山本佑香さんより「沖縄の美しい自然に触れ、たくさんの経験ができたと思います。また戦争について学び、その悲惨さを知り、戦争を二度と起こしてはいけないと思いました。沖縄で学んだことをこれからの生活に活かしていきましょう」と挨拶があり「添乗員さん、いつも手際よく引率して頂き、本当に助かりました。ありがとうございました」の言葉に合わせて、生徒全員で、添乗員さんの方々に向かってお礼の言葉と一礼をしました。そして、最後に後団団長の坂根先生より「4日間の沖縄研修旅行を通して、いろいろなことを経験し、皆さんそれぞれがいろいろな感想を持っていると思います。それらを基にして、次のステップに進んでください。高校生として何をするべきか、自分に何ができるかを考えて、これからの生活を頑張ってください」と挨拶がありました。4日間を過ごした沖縄の地に別れを告げて、飛行機は、懐かしい関西へ向けて出発しました。

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予定より少し遅れて、大阪伊丹空港に到着。行きよりも重くなった鞄を受け取った後、到着ロビー前に集合し、各クラスで担任の先生のお話があり、解散しました。これにより、感動と充実感に溢れた沖縄研修旅行は幕を下ろしました。

いつの間にか12月。沖縄に比べてかなり寒くなっています。風邪をひかないように気をつけて帰りましょう。「家に帰るまでが研修旅行です」。

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今回の沖縄研修旅行のテーマは「太陽の島~碧い海と空、そして『ひめゆり』たちへの鎮魂歌(レクイエム)」でした。

真っ赤な太陽の下、やっぱり沖縄の海は碧く美しかったです。美味しいものも一杯食べました。感動の連続。めくるめく楽しい時間と空間で、私たちは沖縄の魅力に惹きつけられました。

しかし、その反面、この美しい島で起こった悲しく辛い過去の事実をしっかりと目に焼き付け、私たちは、失われた多くの命に哀悼の意を表し、世界平和を固く誓い合いました。

物事には必ず「光と影」があります。私たちはともすれば「光」の方だけを見がちですが、「影」の部分も見て、はじめて物事の「本質」が見えるような気がします。

「沖縄の光と影」。これからの人生の大きな糧の一つになってくれることでしょう。

最後に、研修旅行後団委員長の10組麦踏有希さんが研修旅行全日程を振り返っての感想を書いてくれました。これを掲載し、この4日間の研修旅行のブログを終わりたいと思います。最後まで、お読みいただきありがとうございました。

あっという間に研修旅行が終わってしまいました。この4日間で私たちは、数えきれないほどたくさんのことを学びました。戦争体験者の方が、「加害者は忘れても被害者は忘れない。」「相手のことを知りたいのならお互いのことを理解することが必要だ。」とおっしゃっていたことを聞き、全くその通りだと思いました。「あなたたちは私たちに昔ひどいことをしたから、あなたたちとは仲良くしない。」ではいつまで経っても平和的解決はできません。戦争をしたのは私たちでなくても「私たちの国は昔あなたにひどいことをしました。本当にごめんなさい。もう2度と悲惨なことにならないようにします。」という気持ちを持たなくては平和な世の中は作れません。このことは、国同士だけでなく、私たちの身近なことにも当てはまると思います。私は、今回の平和学習で自分なりに「平和な世にするには、まずは自分が人を思いやる気持ちを持つべきだ」と考えました。人を思いやる気持ち・・・特に親への感謝の気持ちを大切にし、日々過ごしていきたいと思います。お父さん、お母さん、先生方、そして私たちに関わってくださった全ての方々、私たちに貴重な体験をさせていただき本当にありがとうございました。

2016.11.30 沖縄研修旅行
【高校2年】沖縄研修旅行前団 4日目

最終日

朝食を6時50分からいただき、午前中は戦跡ツアーにでかけます。2度目、3度目の生徒もいますが、高校2年生として沸き上がる感情はそれぞれあったことでしょう。

ひめゆりの塔

ひめゆりの塔では、犠牲になった方々の御霊に班ごとに祈りをささげました。千羽鶴を奉納し手を合わせているだけで、こみ上げてくるものがあります。資料館に入ると、同世代の学生の遺影や、当時の体験記が並んでいます。昨夜、大西さんの平和講話を聞いての今日なので、史実にぐっと引きつけられました。ひめゆりだけではなく、慰霊の塔は無数にあります。「戦争はだめなんです、よくないんです。すべてを奪うんですよ」館内でひめゆり隊の生存者の方が、生徒に繰り返しお話しくださいました。

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マヤーガマ

県からの指導で全員ヘルメット着用。実際壕内に入ると、カツン、カツンとヘルメットが突き出た鐘乳石灰岩にあたります。狭い。暗い。この闇に40名の生徒が足を滑らさないようもぐりこんでいきます。当時もこれぐらいの民間人と兵隊がここで「生活」したといいます。光が入ると見つかる、と畳板で入口をふさぎ、赤ん坊が泣くと殺されたというガマ。ほんの15分程中にいただけなのに外へ出ると「太陽がいい!」「なんかホッとする」と口にする生徒たち。わたしたちの今の穏やかな生活は過去の凄惨な歴史の上にあるのだと実感したのではないでしょうか。案内ガイドの安田さんが、当時、捕虜になったときのこと、沖縄戦で民間人がどんな風に巻き込まれていったのかという事実、平和の意味を教えてくださいました。「みなさん、平和がなければね、夢も希望もなんも持てないんですよ。夢や希望がある、っていうことは、とてもとても幸せなんです。」生徒たちはじっと頷いて聞いていました。

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戦跡をめぐったあと、那覇市内の「キャプテンズ」で昼食。目の前の大きな鉄板の上でリズミカルに次々とサーブされる豪華ステーキ。男子も女子も残さずペロリといただきました。

この4日間は五感を揺さぶる体験ばかりです。世界遺産、といってもピンとこない(?)生徒たちも「首里城正殿」前に立った時、旅行のしおりの表紙そのままの彩色建築に圧倒され、ついに旅の最終駅にたどり着いた気持ちになりました。琉球の栄華の前でクラス写真。「はい、めんそーれ!」

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解団式

解団式で校長先生からこんな言葉をいただきました。「私は宮古島に3年住んでいたので、自分の2番目のふるさとのように思っています。みんなにも、これから何度でもこの沖縄の土地を訪れてほしい。そしてここをもっと好きになってほしい。好きになったら無関心でいられなくなる。もっと知りたくなるはず。そうやって物事への関心、学習を深めて自分の人生を豊かにしていってほしい。みんなの素晴らしい一面をたくさん発見できたいい旅行でした。どうか気をつけて帰ってください。」温かい言葉を残して、2班と一緒の飛行機で出発されました。

9月から、決して十分ではなかったけれども、精一杯事前学習をしてきました。日常を離れ大自然に身を預け、都会ではありえない豊かな贅沢な時間を過ごした生徒たち。私服姿の彼らは少し大人びたように見え、それぞれが平和の意味や時間の尊さを胸に刻んで伊丹空港に降り立ちました。海外旅行ではなかったけれど、家族を思い、普段の恵みに感謝した4日間であったことは間違いないでしょう。旅の安全をお祈りいただいたすべての方々に感謝いたします。近畿日本ツーリストの皆様、心を尽くしてお世話いただきお礼申し上げます。ありがとうございました。

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2016.11.30 沖縄研修旅行
【高校2年】沖縄研修旅行後団 3日目

  今日は、沖縄本島に移動し、「ひめゆりの塔」と「ガマ(自然の洞窟を利用した防空壕)」を見学します。今回の研修旅行のメインテーマとも言うべき「平和学習」。今までの総合学習の時間で沖縄戦の悲惨さを多く学んできました。今日はまさに「祈り」の1日。昨日とは少し違う気持ちで7時に起床し、朝食を食べました。

2日間お世話になった石垣リゾートグランヴィリオホテルを後にし、石垣空港へ。

石垣空港から那覇空港まで約1時間。意外と離れていることに驚きました。(この距離は石垣島から台湾に行くより遠いようです)

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那覇空港に到着。空港のあちこちに「めんそーれ」という文字が。「めんそーれ」とは「いらっしゃい」という意味だそうです。方言って、なんだか優しくて温かい響きがありますね。いくつかの方言を覚えて帰りたいものです。 

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昼食は、国際通りにあるお店でステーキを食べました。各テーブルにシェフがいて、目の前で焼いてくれます。こんな美味しいお肉、めったに食べられません。

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いよいよ、「ひめゆりの塔」へ。第二次世界大戦末期、看護要員として女学生たちが悲劇的な最後をとげました。彼女たちは14歳から19歳ぐらいの若さでなくなっていったのです。生徒たちとおなじような年齢で……。

資料館では、女学生たちの写真、遺品が展示されていました。その中でも生き残られた女学生たちの証言(手記)がありました。あまりにも残酷で、あまりにも悲しい当時の様子が生々しく語られていました。本当に涙無くして読めないものでした。

「『お母さんに会いたい』と板良敷良子さんが泣きながら言いました。『もう一度、弾の落ちない青空の下で大手を振って歩きたいね』とも言いました。それを聞くと、皆声を出して泣きました。こんなに追い詰められて死ぬのは悲しすぎると皆思っていたのです。だから一度に泣き崩れたのです(女学生の証言より)」 

女学生たちには様々な「夢」があったことでしょう。また、様々な「未来」があったことでしょう。それなのに、世の中の情勢に翻弄されて、若い命を散らしていったのです。それを思うと、私たちは彼女たちの分まで精一杯生きなければなりません。それぞれが、そんな思いでひめゆりの塔の前で黙祷をし、平和を願う千羽鶴を捧げました。

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次は「ガマ」へ行きました。ここは多くの一般の人々が戦火を避けて避難をした自然の洞窟です。ガマによっては数千人の人々が身を寄せたと言われています。

軍手、ヘルメットを着用し、手には懐中電灯。ガイドさんの案内に従って、入壕しました。懐中電灯以外は全く灯りがなく、外の光も入ってきません。でこぼこで滑りやすくなっている足下に注意しながら、さらに奧へと進みました。途中、全員で懐中電灯を消しました。するとそこは真の闇。こんな闇は、私たちの日常では経験できません。この闇の中で多くの人々が、飢えに苦しみ、恐怖におののきながら数週間も過ごしていたのです。ガイドさんの話によれば、特に小さい子どもは、不幸な最期を迎えたそうです……。

傷ついた人々のうめき声、兵隊たちの怒鳴り声、お腹を空かせた子どもたちの泣き声、そして、子どもを失った親たちのすすり泣きの声……。このガマの闇は、いまでもそれらを肌で感じさせ、戦争の究極の悲劇を語ってくれる無言の証人のなのです。

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9組 落合 奈々子さん

ガマは事前学習の知識から、実際に入ると思うと昨日の夜から怖くて仕方なかったが、想像以上に入り口が広くて安心しました。しかし、実際に入ってみるとあまりの深さにやはり怖くなりました。ガマの中にいる間は、ほんの数分の時間が何十分にも感じました。ガイドの人から壁面の黒くなっている部分は亡くなった方々の骨であるという話を聞いて、ここが戦場だった証拠であると感じました。ガマに入ったことによって、自分と同じ年齢の人たちがこんな怖い体験をしていたことを深く実感しました。私はひめゆりの塔を見学するのは2回目でしたが、前回とは感じ方が異なりました。その理由は、事前学習でひめゆりについて深く学んだからです。これらの経験で感じたことを胸に刻んで、これからの生活を送りたいと思います。

平和学習の一環として、戦争を体験された大西正子様に講演をしてただきました。

どんなドラマや映画を観ても、どんな参考文献を読んでも、体験者の「生の声」に勝るものはありません。私たちが今まで積み上げてきた平和学習の内容、または自分たちのお祖父さん、お祖母さんに聴いた経験談などとも重ねながら、「平和」への決意を固めてくれたことでしょう。

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9組 高村 真由さん

私は今まで、実際に戦争を経験した人のお話を聞いたことがありませんでした。米軍も日本軍も同じ人間であるのに、傷つけ合うのは本当に悲しいことだと思います。講演のなかで一番印象に残ったのは、同じ日本人にも関わらず、負傷して助かる見込みのない兵士に、青酸カリをミルクに混ぜ飲ませたというお話です。人々が、味方を殺さなければならないほどに追い込まれている状態にあったお話は、一生忘れることができません。もし自分が大西さんと同じ経験をしていたら、生きる気力を失っていたと思います。これからは大西さんのお話を心にとめて、命を大切に1日1日を過ごしていこうと思います。

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平和と命について考えながら、後団全員揃って夕食をいただきました。

今も「生」を頂いていることに感謝せざるを得ません。そして、人間が決して目をそらせてはいけない過去を学びました。未来を担う生徒たち、ひとりひとりの胸に「何か」が芽生えたことでしょうね。

明日は、最終日。琉球王国のシンボル首里城と、お楽しみの班別タクシー研修です。

2016.11.29 沖縄研修旅行
【高校2年】沖縄研修旅行前団 3日目

いよいよ今日は那覇へ向かいます。後団の離島研修出発を見送り、私たちは一路、石垣空港へ。今日の青空のきれいなこと!青い空、青い海…南国イメージがやっとリアルに目の前に広がっています。

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天候は、申し分なかったのですが、JTA608便機材遅延のため、1班が離陸したのは予定より1時間あとのことでした。先に那覇に到着した2班の3、4組はタクシー研修へ。沖縄ワールド、国際通り、琉球ガラス村、…それぞれの場所で1班とも合流し、写真を撮ったり、アイスクリームを食べたりしました。明日には会える家族に何を選ぼうか、先輩後輩の顔を思いながらどうしようどうしよう、と、土産を選ぶ表情は真剣そのものです。
那覇市は石垣島と全く違う大都会。車の渋滞、コンビニ、高いビル…むしろ普段の生活に近い空気に生徒たちは、帰阪する心の準備ができたのかもしれません。

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1組 中道 章弘君

「琉球ガラス村ではオリジナルのグラス作り体験をしました。『型吹き』とガラスの口の形を整える作業をしました。どちらも簡単な作業だったので初めてでも短時間で気軽に作ることができ、琉球の文化に触れることができました。2日後に届く完成したグラスを見るのが楽しみです。」

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2組 阪上 頼樹君

「石垣島から那覇に行ってみると全く違う景色で、同じ沖縄県だとは思えませんでした。タクシーの車窓から外を見ると、ヤシの木が延々と続いていて素晴らしい光景でした。気温は24度ありましたが風が心地よく僕たちの住んでいる地域の気候とは全然違いました。研修ではそれぞれが分かれて行きたいところに行きました。国際通りや嘉手納基地など数々の沖縄の観光地を半日で回るのは時間が足りませんでしたが、国際通りは沖縄の中心地と言うことだけあって、華やかで、友達と楽しく過ごすことができました。明日はラスト1日です!沖縄に来た本当の意味をじっくり考えて行動していきます。」

平和学習講話(沖縄都ホテル 18:00〜)

那覇市在住の大西正子さんの体験談を聞く機会をいただきました。86歳の大西さんにとって、決して思い出したくはない戦時中の辛い経験を、涙を拭きながら話をしてくださいました。追い詰められた沖縄の人たちが青酸カリや手榴弾で自らの命を断つ光景。爆弾が破裂をして目の前で亡くなっていく身内の人たち。1時間の講話は胸に迫ってくるものがあり生徒たちも唾を飲み込み、目頭を押さえて聞いていました。大西さんが最後に「私にとって戦争はまだ終わっていない。私が死んで初めてそう思えるのじゃないかとさえ思う。通っていた首里高校のグランドには沢山の不発弾が埋まっていると知ったとき、その高校に通っていたことを思うとたまらない気持ちになる。不発弾処理は100年たたないと終わらないと言われている。戦後70年が過ぎたと言われるけれど、私たちにとって、沖縄の戦争はまだ続いているのです。」

1組 辻井 あゆみさん

「今日はタクシー研修の後、実際に戦争を体験した大西さんから貴重な話を聞くことができました。無差別攻撃で目の前で身内の方を亡くしたり.食料不足で栄養失調になったり、今でも消えない身体の傷痕を私たちに見せてくれました。大西さんは戦争は体だけでなく心も傷つけます。このような悲劇は二度と繰り返してはいけないとおっしゃいました。その言葉が胸に痛いほど刻まれました。」

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明日は6時に起床して、ひめゆりの塔とガマに入壕します。出発前にみんなで折った千羽鶴には一枚一枚祈りのメッセージを書きました。今日の講話を思い出しながら「ひめゆりたちへの鎮魂の旅」いよいよ最終日を迎えます。

2016.11.29 沖縄研修旅行
【高校2年】沖縄研修旅行後団 1日目

 11月28日(月)、前団に続き、後団(5組~10組)が沖縄研修旅行に出発しました。まだ真っ暗なうちから家を出て、8時30分、関西国際空港に集合。後団の団長、坂根先生と研修旅行委員長、麦踏さん(10組)からそれぞれ挨拶がありました。その後、近畿日本ツーリストの添乗員さんから説明があり、搭乗券を受け取りました。見送りに来て下さったご家族とはしばらくのお別れ。これから始まる楽しく思い出深い研修旅行。期待に胸を膨らませながら、彼らの乗った飛行機は、一路、沖縄の石垣空港へ向けて飛び立ちました。

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 石垣空港に到着。「何かが違う」と思いました。そう、気候が違います。関西ではそろそろ冬支度なのに、こちらはそれほど寒くありません。

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 バスに乗って、そのまま「やいま村」へ。ここは沖縄の伝統的な古民家を移築して作られたテーマパークのような場所です。まずここでお楽しみの昼食です。

 沖縄での初めての食事。みんなドキドキ、わくわく。メニューは、「八重山そば」、「もずく」、「にんじんシリシリ」、「ジューシー」。そして、なんと豚の耳「ミミガー」!初めて食べる人が多く、びっくりしましたが、コリコリとしてなかなか美味しかったです。このように、食文化の違いを味わえるのも旅の醍醐味ですね。夕食も楽しみです。

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 続いては、川平湾でグラスボートに乗りました。舟の底がガラス張りになっていて、海の底がよく見えます。色々な見たこともない魚が泳ぎ、サンゴがとても綺麗でした。ここのサンゴは紅色ではなく青色。まさに「青い珊瑚礁」!

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 川平湾からはバンナ展望台に移動。ここからは石垣島の絶景が一望できます。私たちが今日から2泊する「石垣リゾートグランヴィリオホテル」が見えました!

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 石垣リゾートグランヴィリオホテルに到着しました。すばらしく綺麗で立派なホテルです。玄関を入ってロビーの正面には、美しい海が見えました。こんなホテルで宿泊出来るなんて本当に幸せです。

 夕食は「ブュッフェスタイル」。好きなものが好きなだけ食べることができます。沖縄ならではのゴーヤチャンプルーやシークワーサージュースは最高でした。あまりにも美味しすぎて、ついつい食べ過ぎてしまいました。

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5組 井上房子さん・渕上彩音さん

 「後団の初日は、昨日までの雨も上がってくれて、とても楽しい1日となりました。飛行機から見る石垣島はとても神秘的で、その景色から目が離せませんでした。石垣空港から外に出ると、非常に風が強くて、少し寒かったです。やいま村では、やいまそばやにんじんしりしり、ミミガーなどをいただき、初めての味に驚きました。グラスボートでは、船に乗りながらサンゴ礁や海に泳いでいる魚を直接見ることができ、とてもきれいでした。バンナ展望台では、石垣島の都市部や周りの島々を見渡すことができました。明日の離島研修が今から楽しみです。明日、晴れますように。」

 

 

2016.11.29 沖縄研修旅行
【高校2年】沖縄研修旅行後団 2日目

昨日の祈りが届いたのでしょうか。本日の天候は晴天。最高の離島研修日和となりました。今日は、西表島カヌーコース、小浜島・竹富島サイクリングコース、西表島クルーズ・由布島コースの中から、自分が選択したコースで離島研修を行います。それぞれの体験について、代表者に感想を書いていただきました。

 

(離島研修A) 西表島カヌー

10組 東井 優果さん 麦踏 有希さん

 今日は天気に恵まれ、カヌー日和になりました。最初は、カヌーにうまく乗ることができるか不安でした。ペアと息が合わず、オールがぶつかってしまったり、水をかけたり、かけられたりしましたが、必死に漕いでいるうちにだんだんうまく乗りこなすことができました。また、カヌー体験の後、遊覧船に乗りました。そこでは400年近い木を見て、それらの種類や何に利用していたかの説明を聞くことができ、自然のありがたさや偉大さを、身をもって体験することができました。

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(離島研修B) 小浜島・竹富島サイクリング

7組 山田 龍君 粉谷 綾菜さん

 私たちは小浜島観光と、竹富島のサイクリングをしました。天気にも恵まれ、沖縄の風を感じながら、大自然を満喫できる最高のサイクリング日和となりました。小浜島では、バスの運転手の方に丁寧に説明して頂き、小浜島での生活を知ることで、自然の偉大さを感じることができました。また、サイクリングではカイジ浜で星の砂を探したり、島の名物であるサトウキビを使った黒糖ソフトクリームを食べたりなど、とても充実した1日を過ごすことができました。

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(離島研修C) 西表島クルーズ・由布島

8組 沖 真名美さん 山﨑水綺さん

私たちのコースは、石垣島から西表島と由布島に行きました。西表島から由布島へ移動する際は、水牛車に乗りました。水牛は1歳の時に陸でなく海の中で排便をするしつけをし、2歳には水牛車を引く調教をするそうです。また、水牛車の定員はオスの牛で約20人、メスの牛で約15人になるため、人と車を合わせて計2トンほどの水牛車を運んでいることになります。水牛たちは、水牛車の運転者の言葉だけで歩いたり、止まったり、自力で言葉を聞き分けることができていたため、とても賢い動物だと思いました。

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今日は、どの班もクタクタになりました。仲間川の水に濡れてしまったカヌー班。竹富島の砂地を自転車で走って足が痛くなったサイクリング班。必死で水牛車を引く水牛の健気さに感動したクルージング・水牛班。それぞれの思いを抱きながら、石垣島最後の夜をゆっくりと過ごします。明日は沖縄本島へ向けて出発です。

2016.11.28 沖縄研修旅行
【高校2年】沖縄研修旅行前団 2日目

雨はあがったもののどんより曇り空。雲の流れは速く、ヤシやシュロの木がワサワサと揺れています。暗い中を「少し寒いね」と背中を丸めて朝食会場へ。今日は体験コースによって朝食、出発時間が違います。7時40分最初にホテルを出たのは、西表島クルーズ&由布島コースの27人。
次いで西表島カヌーコース32人。小浜島と竹富島のサイクリングコースは大人気でバス三台に分乗して出発しました。

(A) 西表島カヌー体験コース

西表島は、沖縄に次いで2番目に大きな島。石垣島より大きい島です。でも人口は2300人程度。島の9割が原生林、海と川が占める日本の国境に近い南端の島です。石垣島から高速船で約40分で到着しました。大原港に近い仲間川をクルーズ船で上り、いざ、カヌーへ。バランスを崩すとすぐにひっくり返ってしまいます。少し肌寒い日でしたが、みんなで川遊びをして、大笑いしながら日常をはなれた時間を過ごすことができました。

2組 豊田 祐伍君
「今日はクルーズとカヌー体験で、西表島しか感じることができない自然を体験することができました。最近の環境問題で、西表島のマングローブ林や珊瑚をはじめ、美しい自然が破壊されつつあるということを知っていました。しかしいざ、その本当の素晴らしさを体感すると、『あの尊い自然を守るために自分にできることは何か』と深く考えさせられた1日になりました。」

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(B)小浜島・竹富島サイクリングコース

小浜島&竹富島コースは、98名で行われました。期待された晴天こそ叶いませんでしたが、快適な気候のもと、小浜島観光と竹富島でのサイクリングを楽しむことができました。
朝食後、私たちは高速船に揺られながら、小浜島へと渡りました。小浜島観光は、バス運転手の方の小気味良い語りと共に、和やかなムードで進みました。その語りは、さとうきびや牛の牧畜といった島の産業から、島に生きる子供たちのことなど多岐にわたり、この島の人々の息づかいを感じさせてくれる貴重なものでした。車窓に流れる美しい景色を眺めつつ、学びのひとときを過ごしました。

昼食の後、今度は竹富島へ。自転車を借りて、サイクリングへ向かいました。ここは一周9.2㎞の小さい島ですが、美しい砂浜が広がるコンドイ浜や星砂海岸、島を一望できるなごみの塔、夕日を眺めるには絶好の西桟橋など、見所はとてもたくさんあり、生徒たちは思い思いの場所へ向かいました。また、島内には瓦屋根の素敵なカフェもあり、ご当地パフェに舌鼓を打っていた生徒もたくさんいました。

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こうして、私たちは二つの島を精一杯満喫し、2日目を終了したのでした。

3組 山﨑 季千亜さん
「朝は比較的ゆっくり出発しました。最初に訪れた小浜島のバスガイドさんが、孔雀の豆知識など沢山教えてくださってとても興味深かったです。待ちに待った竹富島では、班のメンバーと、ハイビスカスや星砂の浜を見ながらサイクリングをしました。風が強かったし、砂地の自転車は少し大変でした。人が少なく信号もない島内の、八重山特有の家々をみているうちに、ジブリの世界へ迷い込んだ気がしました。新しい発見だらけの1日でした。」

(C) 西表島クルーズと由布島コース

浦内川まではバスで約50分。西表島を約半周する道中、運転手さんが、一つ一つ西表島の集落の話や特別天然記念物のイリオモテヤマネコやカンムリ鷲、固有生物の話をしてくださいました。手つかずの自然の宝庫が目の前にありました。古見という集落にある小学校の児童数は10人。先生は7人という学校の横を通りました。中学校は島内でも、高校になると、子供たちはみな島外へ進学して一人暮らしをするのが普通だそうです。仁川の生徒たちが親元から通える日常は、実にとても恵まれているのだと、ある生徒がぽろっと漏らしていました。

由布島の水牛は現在51頭いるそうです。それぞれに名前があって、人間の言うことはすべてよくわかっているようでした。驚いたことは、決して陸地では糞尿をしないことです。汚さないように、必ず渡る海の中で(水洗便所として)用を足すように2歳でしつけをされるのだとか。船頭?さんたちの水牛たちへの愛情も伝わってきて、穏やかな優しい気持ちになりました。

3組 山之口みなみさん

「今日は西表島の浦内川でボートクルーズと、昼食後には由布島への水牛体験をしてきました。クルーズでは、360度見渡す限りたくさんの種類のマングローブに囲まれ、ここが同じ日本とは思えないような、西表島の原風景、大自然を体感することができました。由布島への水牛に乗っている時間は10分ほどなのですが、海からの風とサンシンの音に身を預けて、ゆっくりと流れる時間に心が癒されました。」

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