仁川学院小学校

2021 年 11月 記事一覧

2021.11.12 学校行事
11/12 第27回未来予想図を行いました

11月12日(金)5・6校時に4・5年生を対象に同窓生特別授業「未来予想図」を行いました。
仁川学院小学校同窓会設立以来、同窓会と小学校が協力して取り組むこの行事も27回目を迎えました。今回は2年ぶりに4人を講師にお招きして、対面での授業を行いました。ご自身の仕事や働くことの価値など様々なことを4年生と5年生の子どもたちに伝えてくださいました。

4年1組『教師のお仕事』~先生を仕事として見てみよう~ 仁川学院中学・高等学校 教諭 村田 智先生(30回生)

  

子どもたちにとっては普段身近に接している「学校の先生」を職業の「教員」として知る機会となりました。教師の仕事として、①授業 ②生徒指導 ③校務分掌 ④クラブ指導 ⑤担任業務 に分けて説明がありました。②の生徒指導について「教師の仕事は、勉強を教えるだけではありません。将来、子どもたちが社会の中で自分らしく生きることができる大人へと育つようにいろんな働きかけをします」と話され、社会人としてのマナーを学ぶこと、人間関係を学ぶこと、将来を考えて、今、行動させるなど、「教える側の思い」を語ってくださいました。

また、教員としての1日の過ごし方、時間割、週末についても話され、子どもたちは多忙なイメージを抱いたかもしれません。中学、高校の教員はクラブ指導が大変であるということがよく伝わってきました。やりがいを感じていなければ難しい仕事です。

そんな大変なこともある「教師」は楽しいものなのか?という話もしてくださりました。新しいことを知る機会が多いということで、研修旅行の話や、今までに担当してきた生徒が大きく成長して顔を見せてくれた時に嬉しかったというエピソードなど、教師のやりがいも知ることが出来ました。

最後は少し「仕事体験」ということで、グループワークをしました。お題は「ある日、あなたは地球にやってきた宇宙人に遭遇します。その宇宙人は、あなたに質問してきました。『車って何?』何も知らない宇宙人にどうやって説明しますか?何を使ってもかまいません。」でした。子どもたちは辞書で調べたり絵を描いたり写真を用いたりして説明を考えました。ただ、自分が得た知識をそのまま言葉で表現しても、相手には伝わりにくいものです。人に何かを教えることの難しさ、そして大切さを味わう時間となりました。

 

4年2組『更生保護事業について』 更生保護法人和衷会 理事 榎本容人先生(16回生)

 

榎本さんの職業である更生保護事業とは、犯罪者の立ち直りを支援する仕事です。子どもたちにとって馴染みのない仕事でもあり、授業冒頭の挨拶の中で「大人に話をすることはありますが、子どもたちに話をしたことがありませんから、退屈な授業になるかもしれません」と謙遜されていました。しかし、授業が始まると榎本さんの最初の発問「犯罪にはどんなものがありますか?」に、多くの子が挙手し、発表していました。それから「犯罪を犯した人が更生保護施設に来るまでの流れ」を分かりやすく説明していただきました。4年生にとっては少し難しい内容にも思われましたが、意外に子どもたちは興味津々で、楽しい授業展開になっていきました。

授業の後半は「更生保護事業について」で、成り立ちから職員構成までを詳しく説明していただきました。そして最後の2つの発問が特に子どもたちの心に響いたのではないでしょうか。1つ目が「どういう人が犯罪者になるのか?」というもので、子どもたちは真剣に考えていました。その答えは「規則正しい生活ができない人」でした。2つ目が「何で泥棒をしたら駄目なの?」で、ご自身に起きたエピソードを交えながら「人を信用できなくなる社会になるからだよ」と教えていただきました。

4年生にとっては初めてとなる未来予想図の授業でしたが、仕事の内容だけでなく、親や教師以外の大人である榎本さんの人柄にも興味を持ったように思えました。

 

5年1組『人を喜ばせる仕事』 社会福祉法人大瑠会 理事長 大野裕史先生(25回生)

大野先生は、こども園とメガネ店という全くジャンルの異なる2つのお仕事をされています。しかし、こども園の経営とメガネ店の経営を通じて大切に感じたことは同じだという話をしてくださいました。それは、「人を喜ばせるのは、モノではなく人」ということです。大野さんご自身も、お客さんが楽しんでくれるようなメガネ店や子どもたちが過ごしやすい子ども園づくりを心掛けているということで、その工夫を教えていただきました。

後半は、「人を喜ばせる」ことをテーマにどうしたら幼稚園やお店が楽しくなるかを、子どもたちが考え、話し合いをして、意見を発表しました。子どもたちなりに他者の気持ちになって考えることができたことが、何よりも意義深いことでした。
今回、大野先生から教えていただいた自分が楽しく仕事をすることで人を喜ばせることができるということ「仕事=人を喜ばせること」は、どんな仕事だろうと必ず役立つ考え方です。ぜひ子どもたちもその気持ちを忘れることなく、自分の将来に活かしてもらいたいと思います。

 

5年2組『SDGsな会社つくりませんか?』 株式会社中北製作所 代表取締役社長 宮田彰久先生(31回生)

 

今回のテーマは「SDGsな会社作りませんか?」ということで、まず宮田先生が社長になるまでの経歴や社長の仕事についてお話をしていただきました。小学生時代の思い出や級友との関わりをユーモアたっぷりにお話してくださり、教室は大盛り上がりでした。また、社長になるまでの苦労やそこで得られたものについて、小学生にもわかりやすく伝えていただきました。子どもたちにとっては、想像していた社長像とは少し違い、人と一緒に働くことの意味や価値を学ぶことができました。

6時間目は「もしも私が社長になったらどんな会社を作りたいか」をテーマに、グループワークを行いました。当初は、15分の話し合いの後、各グループで考えた内容を発表する予定でしたが、予想以上に話し合いが盛り上がり、結局40分間ずっと話し合いをしていました。どの班も面白い発想が飛び交い、実際にありそうなものから実現したらよりよい生活になりそうなものまで魅力的なものばかりで、聞いているだけで楽しくなりました。

 

卒業生の母校の後輩を思う気持ちによって支えられているこの行事が、児童にとって未来を描くきっかけとなることを心から祈っています。