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【高校】「ふくしま学宿チームHYOGO」に参加しました
8月21~23日の2泊3日、生徒5名と教員2名の7名で、「ふくしま学宿 チームHYOGO」 の一員として、福島県(いわき市・浪江町・双葉町・大熊町・富岡町など)を訪問いたしました。
「ふくしま学宿 チームHYOGO」は、灘高校の池田先生が「《福島が教えてくれる学び》を若い人たちに伝えていきたい。 特に、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県に住む子どもたちと一緒に考えていきたい」という思いをもって、2019年夏から続けてこられた活動です。
東日本大震災が起こった頃、生徒たちはまだ2歳ほどの小さな子どもです。ニュースなどで知っていたこととは異なる当時の状況を見、語り部さんから話を聞き、大きな衝撃を受けていました。原子力発電所の事故があり、助けられる命も置いて避難しなければならなかったことを知り、胸が痛くなりました。
また、「14年間を経てもなお、帰還困難区域があり、バリケードがあって入ることができない場所がある」、「あと何年かかるかは検討もつかない」、「解体も出来ずに放置された家がある一方、そこから車で5分程走ったところには、新しく開発した大きな商業施設や新しいエネルギーを作る工場などがある」など、複雑な現実を目の当たりにし、現地に足を運ぶことの大切さを改めて痛感しました。
2日目の午前中は、原子力発電所を見学しました。午後には、中間貯蔵施設を見学することができました。残り30年で廃炉作業を終えることができるのか、中間貯蔵施設に保管されている除染土を2045年までに最終処分することができるのか……現場を目の前にすると疑問を持たざるをえず、私たち県外在住者が、日本全体の問題と捉えて早急に考える必要があると強く感じました。
除染土の再生利用にむけたロードマップが政府により示されましたが、より多くの人が、今後の動向に関心を持ってくださいますと幸いです。
(参考資料:環境省中間貯蔵施設情報サイトhttps://josen.env.go.jp/chukanchozou/)
最終日は、福島の高校生たちとの交流会がありました。参加した同世代の生徒たちとさまざまな考え方・感じ方を共有し、これからどのように生きていくべきか、どのように伝えていくべきか、を話し合いました。彼らの姿は未来そのものであり、若い世代のエネルギーは素晴らしいと感激した三日間でした。
参加生徒・教員の感想(抜粋)
▶ 語り部の方や当時原発で作業していた方、震災直後から現地で作業をしていた方など、さまざまな視点からの経験を知ることができて、非常に意味のある時間を過ごすことができたなと思います。そして、実際に中間貯蔵施設や原子力発電所などを自分の目で見たこと、あまり入ることのできない中まで見学させていただけたのでメディアでは分からなかったような内容も知ることができて良かったです。
▶ この合宿の前は正直原発にはあまり興味がなく、ニュースで流れてきても特に気にしていませんでした。しかし想像をはるかに超える被害や辛さを目の当たりにし、どうして今まで自分はこんな大きなことに興味を持っていなかったんだろうと不思議に思いました。人から伝えられるのと実際自分が見るのとでは全然違うのでこの合宿で終わりにせず、自分から積極的に福島の情報を取りに行きたいです。
▶ 今回の合宿で、「話を聞く」だけでなく、その後にしっかりと考え自分の意見を持つことができました。また福島に関する知識、これから起こるであろう南海トラフ地震にどう備えるか、しっかりと学べました。家族と話し合っておこうと思いました。訪れた福島の土地はどこも自然が美しく本当に綺麗な街なんだなと思いました。また行きたいです。
▶ このツアーに参加する前は、ある程度災害について知っていると思っていましたが、3日間を通して新しい情報、特に原発を知れたし、いろんな立場の人の話を聞けたし、今の福島の現状を知れた上、原発にも入れて良かったです。特に、語り部の方々の話を聞いて、まずは自分を一番に考えて、自分のことは自分で守ることが大切という、決断力も大切だなと思いました。まだ遺骨が見つかってない方もいると聞き、話の内容の現実みが高くて、心に刺さりました。
▶ 学宿に参加するまで知識としてしか知らなかったことが、景色として目の前に広がっていた三日間でした。教科書やニュースで学ぶことの限界と、実際にその地を訪れることによって五感で得られることの可能性を感じました。今回私が感じたことや考えたことはもちろん、このような活動に行ってみる、挑戦してみることでしか得られない学びがあることを仁川学院の生徒に伝え続ける必要性と使命感を改めて痛感しました。このような大変貴重な機会をくださったすべての方に感謝し、今後の教育活動につなげていこうと思いました。
最後に、灘高校の池田先生を始め、ホープツーリズムの渡辺様・小泉様、私たちのためにお話ししてくださったすべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。








