未来予想図

2025.11.20
学校行事

11月14日金曜日の5・6時間目、第35回の「未来予想図」を実施しました。本校卒業生による特別授業。4年生はそれぞれの教室で、5年生は1・2組合同で会議室で行いました。子どもたちは先輩の話に熱心に耳を傾け、充実した時間を過ごすことができました。

4年1組 田嶌匠之助先生(37回生) 川崎医科大学 呼吸器内科医 

「ある時は呼吸器内科医、ある時はDMAT隊員!何もない場所でも役に立てる医師になるには」

今回は37回生の田嶌匠之助先生(川崎医科大学 呼吸器内科医)に授業をしていただきました。まず、自己紹介として学生時代の写真を見せながらその当時のことを話して下さいました。

そしていよいよ「ある時は呼吸器内科医、あるときはDMAT隊員!何もない場所でも役に立てる医師になるには!」という授業が始まりました。前半の授業は、呼吸器内科医の仕事内容や肺の病気などを分かりやすく説明していただきました。

そして担任を患者に見立て、「良い診察」と「悪い診察」の違いを寸劇を通して子どもたちに学ばせてくださいました。

後半の授業は心肺蘇生の体験学習で、ここでも担任を心肺停止の患者役にし、リアルな現場を再現することから始まりました。蘇生方法も分かりやすく説明され、子どもたちは一所懸命に取り組んでいました。田嶌先生が言われた「心肺蘇生をするのはあなたです。勇気をもって実施して下さい。」という言葉は、大人だけではなく、子どもたちの心にも響いたはずです。

4年2組 杉原佳樹先生(37回生) ベルバリュー株式会社 代表取締役

「”きれい”をつくる会社のひみつ~まちをピカピカにするお仕事~」

ベルバリュー株式会社はビルメンテナンスを行う会社で、ビルの屋上からロープで降りて外側の窓を 清掃したり、エアコン・電気・エレベーター・火災報知器などの設備点検、ホテルの清掃など、多様な業務を担っていらっしゃいます。

1時間目は、清掃の大変さややりがい、そして清掃が社会に果たす役割についてお話しいただきました。普段何気なく使っている建物も、裏側でビルメンテナンスの方々が整えてくださっているからこそ、安全で快適に利用できていることに気付くことができました。

2時間目は、実際の清掃作業を実演してくださいました。校舎の屋上から、わずか2本のロープで降下して窓を磨く姿に、子どもたちは目を離せませんでした。屋上には固定できる設備がない場所でも、専用の道具を使って安全に作業できることを知り、驚きの声が上がりました。着地後は、使用する道具や工夫についても紹介していただきました。

表に出る仕事だけでなく、裏方で支えてくださる方々がいてこそ社会が成り立つことを学び、子どもたちにとって大きな気付きとなる時間となりました。

5年生 原野蓉子さん(60回生) 神戸女学院高等学部2年生 令和7年度高校生平和大使

「平和について~国連で学んだ事~」

例年、未来予想図では社会人の方にご自身の職業についてお話していただきますが、今回は、高校生の原野さんに講師をしていただきました。原野さんは、ご自身が被爆4世で、平和について関心があり、今年度、高校生平和大使に選ばれています。スイスにある国連本部に派遣されるなど、特別な活動をされています。また、5年生は国語の授業で「たずねびと」という、広島の原爆に関する物語文を2学期に学習しています。戦後80周年という節目の年でもあり、子どもたちの興味もあるので、今回、原野さんのお話を楽しみにしていました。

1時間目は、原野さんの普段の学校生活、自分のルーツ、原爆について、国連での印象的だった出来事、平和な社会にするにはどうすればよいのか等、プレゼンテーションしていただきました。国連という場では、国力に関係なく、平等に意見交換がなされている場面が印象的だったという話を聞きました。そういった体験から「対話が大事」だと原野さんは考えたそうです。

2時間目は、5年生の子どもたちの平和に対するイメージや、「どんな時が平和か」といったことをグループ、そして全体でシェアしました。「平和」だと感じる時についての意見を聞いていると、どれも日常にある当たり前の場面でした。そういう当たり前にある私たちの平和をこれからも大切にしていきたいと皆で考えました。良い機会となりました。