仁川学院中学・
高等学校

学校行事 記事一覧

2019.06.12 学校行事
【中学】中学3年生 人権HR

6月4日・11日と2回にわたり、仁川学院中学校では、各学年ごとに人権問題を取り上げたホームルームが行われました。

中学3年生の第1回は、「災害と人権」。5月末の野外活動の最終日、淡路島の北淡震災記念公園を訪問し、震災の語り部の講演を聴き、野島断層保存館を見学しました。また、昨年度・一昨年度の1月17日前後には、震災をテーマにした講演・人権学習がありました。

“人権”というのは、つきつめると生きていることが大前提です。阪神大震災や東日本大震災のような大規模な災害に遭遇したとき、「自分の命は自分で守ること」。これが、いろんな講演で共通してうかがったことです。

講演や野島断層保存館で感じたこと・考えたことを一人ひとりが付せんに書き出します。それをジャンル別に分類。最後に、各班で出された意見をホワイトボードにまとめ、他の班に発表することで共有しました。

 

第2回は、「こんなとき、どうしたらいいかな?~アサーティブなコミュニケーションを学ぼう~」というテーマで、ワークショップを行いました。

「アサーティブ」とは、“自己主張”という意味。しかし、一方的に自分の意見を主張するのではありません。自分の気持ちも伝えつつ、相手の気持ちにも配慮するものです。

アサーティブな自己表現のポイントは3つ。

 1.状況の説明(状況や相手の行動を客観的に言う)

 2.アイメッセージ(相手の気持ちも考えた上で、自分の気持ちをはっきりと言う)

 3.提案や要求

この3点を抑えながら、実際にシミュレーションを行いました。課題は、「すぐ物を『貸して』と言ってくるのに、なかなか返してくれない友だちに対し、どういう対応をすればいいか」。

それぞれが上述の「アサーテイブ」な返答を考えました。班でそれぞれが考えた返答を出し合い、その中で、最も「アサーティブ」と言える返答を1つ選び、全体に向けて発表しました。

中には思わず「おおっ」と感心する声のあがる返答も。完璧な「アサーティブ」な返答でした。

災害も、アサーティブなコミュニケーションも、わずか1回の学びで終わるものではありません。毎日の生活の中で意識しておく必要があることです。

災害については、今年度も1月17日前後にまた学習を行います。アサーティブなコミュニケーションは、国語・日本語の授業の一環で「コミュニケーションスキル」として学びを続けていく予定です。

2019.06.11 学校行事
【中学】中学1年生 第2回 人権HR

6月11日(火)の7時間目、先週に引き続き、中学1年生は学年で人権学習に取り組みました。LHRの進行は、教育実習生が務めました。

テーマはズバリ、「こんなとき、どうする?」

人間関係において、トラブルは無いに越したことはありませんが、全く問題なく生きていくことは困難です。学校や家、様々な場面でトラブルは起こり得ます。そんな時、自分はどのような行動をとり、解決していけば良いのかを考えてもらいました。

今回は、「仲の良かった友達と、とある誤解がケンカに発展。誤解が自然に解けるのを待っている間に、自分の悪い噂が出回ってしまい、周囲の人たちとも関係が悪くなってしまった。」という場面を想定します。

 

個々で「自分ならどうするか」案をだしてもらい、班で共有。そして、「その案を実行した結果、どのような結果になるか」を考えて話し合います。班でまとめた意見は教室全体で共有します。多くは「誰かに相談する」というものでしたが、中には「ケンカになっても徹底的に時間をかけて話し合う」や「悪口で言われていた内容を、言われないように努力してなおし、言っていた人たちを見返す」など、前向きな意見も見られました。

 

最後は、本校の卒業生でもある教育実習生からまとめの言葉がありました。中学1年生当時、今回の題材と同じような事態に陥った、辛い体験を涙ながらに話してくれました。生徒たちも、体験談を直に聞くことで、現実味が持てたようです。真剣な表情で話しを聞いていました。これから3年間の中学校生活を共にする仲間たちです。衝突することもあると思いますが、お互いに歩み寄れる人間関係を築いていってほしいと思います。

2019.06.04 学校行事
【中学】中学1年生 第1回 人権HR

6月4日(火)の7時間目、中学1年生は人権学習に取り組みました。本校では週に1回、LHR(ロングホームルーム)の時間が設けられています。中学1年生は、入学して2か月が過ぎようとする中、学校生活に慣れて友達との距離感も近くなり、些細なことから不必要なトラブル発生が懸念されます。そこで、LHRを学年として行い、グループワークを通して周囲の人と、より良い関係性を築くためにはどうしたら良いかを学びます。

第1回目となる今日は、「あなたならどういう?~YouメッセージとIメッセージ~」と題し、相手との人間関係を崩さずに自分の気持ちを伝える方法、その場の状況にあった適切な方法で表現する方法を模索します。お互いの意見を交換し、他者の価値観や考え方を認められるようになることが狙いです。

今回は「待ち合わせに連絡なく遅れてきた友人と、待たされた自分」のやり取りを想定して行いました。「相手の気持ちを考えると、本音を言い出せない。」という子もいれば、「言いたいことは言う。でも、言った後の相手のリアクションを考えると少しこわい。」など活発に意見が交換されていました。

  

活動は、1班を3~4人で構成し、生徒が持っているiPadに資料となるデータを配布します。その資料をもとに、「自分で意見を考える→班での共有→班でのまとめを提出→全体で共有」を繰り返し行います。生徒たちは、5月以降にiPadを配布されてから色々な授業で使用しているだけあって、慣れた手つきでiPadを操作していました。

 

 

次回に予定している課題は「こんなときどうする?」です。誤解からケンカに発展してしまったトラブルについて考えます。

2019.06.01 学校行事
【中学】ダンスは振り返りから改善へ、「仁川の森」は肥料の選択を

   

野外活動でのダンス発表から4日。あれはあくまで「中間発表」。本番は、3週間後にコルベ講堂で開かれる「ダンスフェスティバル」です。

もちろん、自分たちが踊っているときは、自分たちの踊りを観ることはできません。そこで、中間発表のダンスを録画した動画を班員で観ました。ある班は、“good point”と“bad point”をみんなでピックアップして分析していました。

それを踏まえて、ダンスフェスティバルまでにどのように改善していくか、そしてアレンジを加えていくかを検討。うろ覚えの振り付けは、もう一度上級生が丁寧に個別レッスン。踊るだけではなく、移動やフォーメーションなど、演出も大事になってきます。各班が独創的な工夫を凝らしています。

2週間ぶりの「仁川の森」。前回は、発芽がうまくいかなかった班も、日本の農業で長年培われてきた方法を伝授して種を蒔き直した結果……、ご覧の通り、小松菜もチンゲンサイもびっしり生えそろいました。その畑の様子をパッと目にした生徒からは「おおっ」という歓喜の声が………。

こちらは、ツルナシインゲン。自分たちで蒔き方・育て方を調べて、4月下旬に蒔いた種ですが、毎日たっぷり水をやっていたら、遅まきながら発芽してきました。それでも、班によっては発芽していない畝もあります。

そこで、今回は、長年培われてきたインゲンの蒔き方をレクチャーし、畝の空いているスペースにもう一度インゲンの種を蒔きます。小松菜・チンゲンサイは「筋蒔き」という方法ですが、インゲンは「点まき」。約7cm大の穴を掘り、1カ所に種を3~4粒蒔き、土をかぶせます。今後は、観察記録をつけて、自分たちの考えた栽培方法での畝の様子と比較していきます。

今日のテーマは「肥料」。写真左側のボトルは液体肥料、プラスチックケースは化成肥料です。ほかに、ぼかし肥料(有機肥料)と合わせて3種類の肥料を用意。小松菜・チンゲンサイに追肥するにはどれが適切か、班員で相談。iPadで調べながら、選びました。

 

写真左は液体肥料、右は化成肥料。ぼかし肥料を選択した班もいます。中には、2種類混合で使った班も。肥料によって生育状況がどう変わるのか、他の班との違いを見ていくのも楽しみです。

小松菜・チンゲンサイは間引き。丁寧に間引かないと、残した苗の根を傷つけてしまったり、苗が倒れてしまったりします。

「仁川の森」には、校舎沿いの畑のほかに、道路を挟んで向こう側、中学校グラウンドの隅に、もう1カ所の畑があります。昨年はここにサツマイモを植えました。すでに、畝の保温と防草のために、マルチシートが掛けられています(写真左)。今年はこの苗を準備。黄色い花が咲いています。そう、正体はカボチャです(写真右)。

初めて挑戦する作物。レクチャーを受けた後、ポットから苗を取り出し、マルチの穴の空いたところに移植。くれぐれも根や茎を傷つけないように、慎重に……。

茎の途中から生えてきている脇芽は、発育の妨げになるので、手で摘み取りました。

ダンスも仁川の森も、自分たちのやってきたことをくり返すだけでなく、より良い物にするために、試行錯誤しながら進めていきます。経験と知識、そして調べ学習を融合させた、生きた学び、まさしく「探究」の活動です。

2019.05.28 学校行事
【中学】野外活動(ネイチャーコミュニケーションキャンプ)3日目

 激しい風雨の音で目を覚ました最終日。野菜がおいしいと評判のバイキングもこの朝食が最後。食後のテーブルは毎回、自分たちで拭きました。自分のことは自分で、というのが野外活動の学びの一つです。

 宿泊棟の部屋と洗面所、廊下などもきちんと掃除し、寝具をきれいに畳みました。施設の職員による点検は見事一発合格! 退所式では、生徒副会長が3日間の学びを振り返り、職員の方に感謝の思いを伝えました。

 淡路島の南端からバスに揺られること1時間、島のほぼ北端にある北淡震災記念公園に到着しました。

 

  まずは、語り部の方に震災の体験を語っていただきました。お話の途中には、当時の写真や動画がたくさん出てきました。倒れたビル、ただ焼けるのを眺めるしかできなかった街、がれきの中から助け出された人……。「“地震が起きるかも”という意識」「地震は防げないが、減らせる」「自分の命は自分で守る」など、震災から得た教訓を教えていただきました。

 講話の後は、野島断層保存館へ。ずれた地層の実物や、震災直後の家屋を見学。最後には、阪神淡路大震災の震度7の揺れを体感しました。

 自分の住んでいるところが、自分の生まれる前に何が起こったのか、お話を聞き、映像や実物を観ることにより、大きな衝撃を受けていました。

 最後は、ここで感じたこと・考えたことを、ワークブックに書き込みました。野外活動直前の理科の授業でも、全学年が地震について学んでいます。その学びと、今日の見学を重ね合わせることで、理解が深まりました。

 家を離れ、仲間と助け合いながら生活をした3日間。教室では学べない「何か」を、それぞれが感じ取ったことでしょう。

2019.05.27 学校行事
【中学】野外活動(ネイチャーコミュニケーションキャンプ)2日目

 夜は涼しい海風に吹かれて熟睡。起床時間は6:00。身の回りを整理します。自分の家ではない、みんなが使う部屋。整理整頓の意識が欠かせません。

 午前中は、カッター研修。一昨年はここ淡路島、昨年は福井の若狭湾。経験豊富な3年生の腕のみせどころです。

 基本的な操作方法、安全面の説明を施設の方から受けたあと、船着き場へ移動。いよいよ出帆です。

 が、その段になって、突然、風が強くなってきました。天気が晴れていても、波が高ければカッター研修はできません。施設の方、そして指揮をされる船長さんが、天気予報や経験をもとに「実施可能」と判断されました。

 沖へ出てみると、想像を超える荒い波が待ち受けていました。過去2年、経験したことのない波が、船の行く手を阻みます。漕いでも漕いでも戻される、方向転換しようとしてもできない……、揺れる船に酔ってしまう生徒も出てきました。

 例年よりも早めに切り上げて帰港。科学が発達し、そこに経験を積まれた方の頭脳を加えても、思っていたとおりにならない……、そんな自然の難しさを改めて思い知らされました。

 

 午後からは、夜のダンス発表にむけて、練習開始。船酔いした生徒たちも、休息を経て、ご飯が食べられるまで回復し、途中から合流しました。本番と同じステージでリハーサル。体育科の教員からアドバイスをもらい、改善を重ねていきます。

 学校で週1回練習し、積み上げてきたものを披露する節目のとき。それが、野外活動2日目の夜、ダンス発表会です。

 

 体はかなり疲れていますが、いざ曲が流れ、ライトアップされると、スイッチが入ります。振り付けを覚えているか、フォーメーションはどうするか、いろいろ考えることはありますが、なによりも一番は楽しみながら踊ること。それが観ている人にも伝わります。

 野外活動のこのダンス発表は、あくまで「中間発表」です。本番は、6月21日(金)午後のダンスフェスティバル。

 1カ月後には保護者の皆さんにも最高のパフォーマンスを見せるために、生徒たちはここからさらに磨きをかけていきます。